≪弓道初心者≫審査の心得/級位、段位、称号とは?

弓道審査 弓道

弓道をはじめ、初めて審査に参加することになった。

審査ってなに?

弓道の段位や級位について知りたい!

そんな方に是非見ていただきたいです。

初めての審査、絶対合格したい!
審査の流れはどんな感じ?
級位、段位とは?

弓道の審査は、技術だけでなく礼儀や精神性も評価されます。ただ的に当てにいくだけでは受かるものも受かりません。

この記事では
初心者が気になる、審査の流れや級位・段位の詳細を紹介。
審査について理解を深め、今よりも安心して挑んでいただけようになります。

みなさんには、審査の意味を知り、自信をもって挑んでいただきたいです。

審査

弓道審査

✅審査を受けるものが、級位や段位にふさわしいかを判断します。

実技試験と学科試験の総合評価で判定されます。

はじめての審査は、無指定審査と初段審査どちらかを受けられます。

無指定審査とは?

級位や段位を定せずに、総合評価で認許された級位・段位を取得。

初段審査とちがい、初段におよばないと判断されても級位をもらうことができます。

初段審査とは?

無指定審査とちがい、合格・不合格で判断されます。

昇段審査とは?

級位・段位を認許されたら次回の審査から「昇段審査」を受けることになります。
(無指定審査と初級審査と同様、筆記試験と実技試験があります)

審査基準

審査ランクアップ

弓道は、日本の古代から現代に至るまで受け継がれてきた伝統武道です。弓を引くことは単なる技術の習得ではなく、精神の鍛錬をも含んでいます。
審査においては、射法八節の各動作の正確さと調和、そして射手の精神的な成熟度が重視されます。ここでは、弓道の審査基準について説明します。

技術的な基準

弓道の基本動作「射法八節」は、以下の八つの段階から成り立っています。

  1. 足踏み(あしぶみ):確固たる姿勢と安定性を持つこと。
  2. 胴作り(どうづくり):上半身の正しい姿勢とバランスを維持すること。
  3. 弓構え(ゆがまえ):矢をつがえた状態での適切な姿勢と構え。
  4. 打起し(うちおこし):弓を引き始める際のスムーズな動作。
  5. 引分け(ひきわけ):弓を引き、矢を適切な位置に持ってくる動作。
  6. 会(かい):弓を完全に引き絞った状態での安定性と集中力。
  7. 離れ(はなれ):矢を放つ瞬間の動作の確実性。
  8. 残心(ざんしん):矢を放った後の姿勢と精神の安定。

また、矢が的に正確に命中することも、技術の精度を示す重要な評価ポイントです。

精神的な基準

弓道は精神修養の道でもあるため、以下の精神的な側面も審査の対象となります。

  1. 礼儀:稽古や審査の場での礼儀正しさ。
  2. 心構え:内面的な安定と集中力。
  3. 気迫:矢を放つ際の精神的な強さと真剣さ。

審査の基準は、段位や流派、審査団体によって異なることがありますが、これらの要素が基本的な評価のポイントとなります。弓道の修練においては、技術と心の両方を磨き続けることが重要です。

級位・段位・称号

段位と級位

弓道における級位は、初心者から中級者までの技術や知識の習得段階を評価するもので、通常は10級から1級まで設定されています。
段位は、初段から始まり、九段まであります。各段位では、より高度な技術や精神的な成熟が求められます。

また特別な称号として、
錬士(れんし)・教士(きょうし)・範士(はんし)といった称号があります。

【級位】5級から1級

5級: 初級者向けの段位であり、弓道の基本的な姿勢や技術を学ぶ段階です。この段階では、的から比較的近い距離で的に矢を射る練習が主な内容となります。正しい姿勢や弓の扱い方、矢の射出の基本的な技術を身につけることが重要です。

4級: 初級者段位の次の段階であり、基本的な技術をさらに磨き上げる段階です。5級と同様に、的からの距離が近い状況での射撃を中心に、姿勢や動作の安定性、矢の飛び方などが重視されます。正確な射撃と安定した姿勢の習得が求められます。

3級: 初級段位の最終段階であり、基本技術の習得を確認する段階です。この段階では、的からの距離がやや遠くなり、より正確な射撃が求められます。矢の飛びや的への命中率、そして姿勢の安定性などが評価されます。

2級: 中級段位の最初の段階であり、基本的な技術の習得を確認し、さらに高度な技術の習得を目指す段階です。的からの距離がさらに遠くなり、より精度の高い射撃が求められます。姿勢の安定性や瞬時のリアクションなども重視されます。

1級: 中級段位の最終段階であり、高度な技術と心構えが求められる段階です。的からの距離がより遠くなり、さらに高度な射撃技術が求められます。的への命中率や射撃の精度、そして瞬時の集中力や精神的な安定性などが審査の重要な要素となります。

【段位】初段(しょだん)

はじめに受ける方が多いのが初段です。初段は弓道の基本を理解し、正しい射法を身につけていることが求められます。弓道を始めてから数ヶ月から1年程度の練習が必要です。

【段位】2段~3段

●二段では、初段よりもさらに正確な射法と礼法が求められます。安定した射技が求められ、初段取得後、通常は1年以上の練習が必要です。

●三段では、技術的な面だけでなく、精神的な成熟度も評価されます。二段取得後、2年以上の経験が求められます。

【段位】4段~10段

4段以降は、経験・技術・高い精神性を求められます。


●4段は高度な技術と精神性が求められます。射法八節(射法八ヶ条)を完全に理解し、実践できることが必要です。三段取得後、3年以上の練習が推奨されます。

●5段はさらに高い技術と深い精神性が求められます。四段取得後、通常4年以上の経験が必要です。

●6段は弓道の中でも上級者に位置し、非常に高度な射技と精神性が評価されます。五段取得後、5年以上の経験が必要です。


●7段は非常に高い技術と深い弓道の理解が求められます。六段取得後、さらに6年以上の練習と経験が必要です。


●8段は弓道の最高峰であり、技術と精神性の両方で最も高い評価を受ける者に授与されます。八段の審査は非常に厳しく、合格率は極めて低いです。

●9段は弓道界において非常に尊敬される地位であり、その取得は非常にまれです。高度で完璧な技術と、弓道の精神的な理解が必要です。

●10段は弓道の最高位であり、伝説的な存在として尊敬されます。極めて深い精神性と、完璧な技術を持っていることが求められます。

特別な称号

  1. 錬士(れんし)
    • 錬士は、五段以上の段位を持ち、高度な技術を有する者に授与されます。弓道の技術だけでなく、理論や指導力も評価される。
  2. 教士(きょうし)
    • 教士は、六段以上の段位を持ち、他の弓道家を指導する能力が認められた者に授与されます。弓道の理論的な知識も必要。
  3. 範士(はんし)
    • 範士は、七段以上の段位を持ち、弓道の最高峰に達した者に授与されます。技術、精神性、指導力の全てにおいて最も高い評価を受けた者。

審査の流れ

弓道の審査は一般的に以下のような流れになりますが、詳細は場所や大会によって異なる場合もあります。

  1. 挨拶と準備: 審査が始まる前に、参加者は審査員や他の参加者に挨拶をし、準備を整えます。この時点で装束を整え、心身ともに集中します。
  2. 試技前の確認: 審査前に審査員からの説明や注意事項がある場合、それを聞きます。また、審査のルールや流れについての最終確認が行われることもあります。
  3. 弓道場への入場: 審査を行うための弓道場に入場し、審査が行われるスペースや的、審査員の配置などを確認します。
  4. 基本技の披露: 審査ではまず基本技の披露が行われることが一般的です。基本技には立ち止まりや移動、弓を引く動作などが含まれます。
  5. 的への矢の射出: 審査では的への矢の射出が行われます。通常、複数の的が設置され、一定の順番でそれぞれに対して矢を射ます。
  6. 審査員による評価: 審査員は参加者の姿勢や技術、集中力などを評価します。矢の命中率や飛び方、姿勢の安定性などが審査の基準となります。
  7. 審査結果の発表: 審査が終了した後、審査員は参加者に対して評価やフィードバックを行います。そして、審査結果が発表されます。

審査料金

審査料金

審査料と受かった場合に登録料がかかります。

無指定 1,030円 (認定された段級位の登録料)
初段 2,050円(登録料 3,100円)  
弐段 3,100円(登録料 4,100円) 
参段 4,100円(登録料 5,100円)   
四段 5,100円(登録料 6,200円)   
五段 6,200円(登録料 10,300円)   
六段 7,200円(登録料 30,900円)
七段 8,200円(登録料 51,000円)
八段 10,300円(登録料 72,000円)
錬士 6,200円(登録料 41,000円)
教士 9,300円(登録料 62,000円)

公益財団法人 全日本弓道連盟 参照

まとめ(審査)

審査の種類: 審査は実技試験と学科試験の総合評価に基づいて行われます。初めて審査を受ける場合、無指定審査または初段審査を受けることが選択肢となります。

無指定審査: 級位や段位を指定せず、総合評価で段位を取得する方式です。初段に達しなくても級位を取得できます。

初段審査: 合格または不合格で判断される審査で、段位が与えられます。合格後は昇段審査を受けることになります。

審査基準: 審査では、姿勢、手の位置と動き、瞬時のリアクション、集中力と精神的な安定性、矢の飛び、的への命中率、弓の扱い方、装束の整え方などが重視されます。

級位と段位: 級位は5級から1級までの初級者向け段位であり、段位は初段から十段までの上級者向け段位です。また、錬士、教士、範士といった特別な称号もあります。

審査の流れ: 審査は、挨拶と準備、試技前の確認、弓道場への入場、基本技の披露、的への矢の射出、審査員による評価、審査結果の発表のステップで進行します。

審査料と登録料: 審査には一定の料金がかかります。段位の認定に加え、段位登録にも料金が必要です。